任天堂法務部最強伝説って「伝説」じゃない?負け・和解も結構あるんだけど

木槌裁判所

スマホゲーム「白猫プロジェクト」が特許を侵害しているとして、任天堂が運営元のコロプラを提訴しました。

 コロプラが任天堂に訴えられた件の時系列まとめ

任天堂が権利を侵害されたと主張する特許は「タッチパネル上でジョイスティックを操作する技術」を始めとする5つとされていますが、具体的には明らかにされていません。

で、おそらくこれ、というのが白猫プロジェクトの「ぷにコン」

 

スーパーマリオ64DSで使われていたタッチスクリーンのやつかなと。

訴訟内容は今のところ憶測でしかないのでおいといて。

ネットでまことしやかにささやかれている任天堂法務部最強説って本当か?という疑問が。

そこで目についた訴訟を並べてみましたよ。

 

2017年12月 iLife Technologies vs 任天堂『WiiとWii Uのモーションセンサー』

アメリカ

任天堂敗訴

2013年、WiiとWii Uのコントローラーが「幼児や高齢者を監視するためのモーションセンシング技術」に関する特許を侵害しているとして、iLife Technologiesが1億4,400万ドル損害賠償を求める訴訟を起こす。

訴えを起こす前の6年間に販売された3600万台に対して、1台あたり4ドルのロイヤリティを求めたもの。

2017年8月、任天堂が特許を侵害したとして、1010万ドルの損害賠償の支払いを命じる判決が出た。

2017年12月、上訴は棄却。ただし、主審審判官の判決文が出されたあと、再度上訴できる?

Nintendo Loses Appeal Against Motion Control Patent Case – IGN

 

2017年1月 任天堂 vs マリカー『マリカーの商標を取り消しを求める異議申し立て』

日本

任天堂の特許庁への異議申し立て棄却

公道でのカートツアーを主催するカートレンタル会社「マリカー」が保有する『マリカー』の商標が、任天堂のゲーム「マリオカート」の商標を侵害するものとして、特許庁に異議申し立てを行ったもの。

「マリカー」ではマリオやルイージのようなコスチュームを貸し出して、マリオカートさながらの演出を行っていたため、一般にも許諾を得ていると思われていた。

2017年1月26日、任天堂の異議申し立ては棄却。

2月24日に不正競争防止法違反、著作権法違反として東京地裁に提訴。その後は不明。

なお、「マリカー」は現在も営業中。

任天堂やゲーム「マリオカート」(Mario Kart)とは無関係で全くの別物です。ですから、公道上でレースを行うことはできません。バナナの皮等のゴミを公道に投げ捨てることもできません。ましてや、赤い亀の甲羅などの物品をお互いに投げ合うこともできません。マリカーでの楽しい体験は、日本での忘れることのできない一生物の思い出になるでしょう。私たちは、お客様が安全に楽しんでいただけるよう、安全を最優先に運営を行っております。ご協力に感謝します。

マリカーのサイト、Warningより

今ではディズニーっぽいコスチュームを使っているとかなんとか。

 

 

2018年1月11日夕方、マリカーのカート車列の後ろを走っていた3輪自動車が電柱に突っ込み、3歳の女の子を含む男女5人がけがをするという事故発生。

公道カートと一緒に走行していた3輪自動車が電柱に突っ込み、男女5人がけが

 

 

2015年5月 Ithaca Ventures/Ithaca Development vs 任天堂『バランスWiiボード訴訟』

アメリカ

任天堂の勝ち(訴えの取り下げによる)

2013年5月、Wii と Wii U で使えるコントローラー「バランスWiiボード」が特許を侵害していると、Ithaca VenturesとIthaca Developmentの2社の特許がシアトル連邦裁判所に提訴。

 

後にドイツの訴訟でバランスWiiボードは特許を侵害しないとの判断が下されため、両社ともに訴えを取り下げた。

当時話題になったのが法律副顧問のセリフ。

Nintedo of Americaの副法律顧問であるRichard Medway氏は「任天堂は,そのイノベーションを守るために,強い態度で特許訴訟に臨む。どの国であっても,不当な訴えに金銭を払って解決することはない」とコメントしている。

4gamer.net

 

2014年 フィリップス vs 任天堂『DSとWiiのモーションセンサー』

イギリス、フランス、ドイツ、アメリカ

和解

オランダの総合電機メーカーフィリップスが、Wii と DS のコントローラーに使われているモーションセンサーが特許を侵害しているとして、損害賠償と販売差し止めを求める訴訟を5月に起こす。

6月、イギリス高等法院はフィリップスの訴えた3つの特許のうち、2件で任天堂側の侵害を認める。

12月、相互に特許が使えるクロスライセンスで和解。詳細は明らかにされず。

フィリップス、任天堂と和解 特許侵害巡る訴訟

 

2017年 元ソニー社員 vs 任天堂『3DSに搭載した裸眼で3Dに見える技術』

2013年の敗訴のあとの経緯を拾いそこねていました。上訴裁判所で逆転勝利という結果になっています。訂正してお詫びします。

アメリカ

任天堂勝訴

任天堂DSで使われている「3Dメガネを必要とせず立体的な映像を裸眼でみる技術」が特許を侵害してるとして、2011年に任天堂とアメリカの子会社が、元ソニー従業員にアメリカで訴えられる3。

2013年3月、任天堂の特許侵害が認定され、3020万ドルの損害賠償が認められる。

米陪審が「ニンテンドー3DS」の特許侵害認める、賠償29億円

後、賠償金の減額が認められ1510万ドルに

2017年3月、上訴裁判所が任天堂の主張を認め、特許の侵害はなかったとの判決で任天堂の逆転勝利。

 

2013年7月 任天堂+ソフトメーカー vs マジコン販売業者『販売差止め・損害賠償裁判』

日本

任天堂+ソフトメーカー49社勝訴

 

任天堂とソフトメーカー49社が、マジコン(マジックコンピューター)輸入販売業者を相手取り、輸入販売行為の差止めと損害賠償を求める訴訟を求めた裁判。東京地裁はマジコンの輸入販売の差止めと、総額9562万5000円の損害賠償金の支払いを命じた。

2009年の判決でも輸入・販売の差し止めと破棄が命じられていたが、損害賠償責任が認められたのはこの裁判が初めて。

一部のマジコン販売業者は最高裁判所へ上告したが、2016年1月に上告を棄却。2013年の東京地裁判決が確定。

任天堂ニュースリリース

2009年 任天堂+ソフトメーカー vs マジコン業者5社『マジコン輸入・販売差し止め裁判』

日本

任天堂+ソフトメーカー54社勝訴

2008年、DSソフトのプロテクトを解除し、ソフトを複製を可能にする「マジコン(マジックコンピューター)」の販売会社5社に、任天堂他54のソフトメーカーが、販売差し止めの訴訟を起こした。

2009年、訴えが認められ、東京地裁によりマジコン販売業者に輸入・販売の禁止と在庫破棄の命令がくだされた。

 

2005年4月 任天堂+1 vs エンターブレイン+2『ファイアーエムブレム事件』

日本

任天堂勝訴

エンターブレインの販売する「ティアリングサーガ 」が、「ファイアーエムブレム」の著作権侵害と不正競争防止法に違反しているとして、任天堂と「ファイアーエムブレム」開発元のインテリジェントシステムズが裁判に訴えたもの。

インテリジェントシステムズは任天堂のセカンドパーティー。

「ティアリングサーガ」の当初のタイトルは「エムブレムサーガ」。インテリジェントシステムズを退職した「ファイアーエムブレム」の開発者が製作にあたっていた。

ファミ通のインタビューで開発者が「ティアリングサーガ 」が「ファイアーエムブレム」シリーズと思わせるような発言をしたため、任天堂とインテリジェントシステムズからゲームの発売中止か内容の変更を求められた。

これを受けてタイトルを「ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記」に変更した上でシステムも修正し発売。

内容の類似点が多いことと、「ティアリングサーガ」を「ファイアーエムブレム」シリーズと誤解させるような宣伝法が問題視され、著作権侵害と不正競争防止法で任天堂とインテリジェントシステムズがエンターブレインを提訴。

  • 一審判決(東京地裁:2002年11月14日)
    任天堂側の請求を全て棄却
  • 二審判決(東京高裁:2004年11月24日)
    著作権侵害は認められず、不正競争防止法違反においては任天堂側の請求が一部認められ、エンターブレイン側に任天堂側へ約7600万円を支払うように命じる
  • 最高裁判所(2005年4月12日)
    任天堂の上告を棄却。二審判決が確定

ファイアーエムブレム – Wikipedia

著作権侵害は認められず、不正競争防止法違反のみが認められる。

 

2000年12月 ユリ・ゲラー vs 任天堂『ポケモン「ユンゲラー」裁判』

アメリカ

任天堂勝訴

ポケットモンスターに登場するポケモン「ユンゲラー」が、スプーンを曲げる超能力やその名前からユリ・ゲラーを連想させるとして、本人が名誉毀損として6000万ポンドの損害賠償を求めてロス・アンゼルス地裁に訴える。

ポケモン「ユンゲラー」は日本のみに限定していたため、アメリカで起こされた訴訟には影響せず、ユリ・ゲラーの敗訴に終わる。

日本で訴訟を起こしていたらどうなっていたんだろう。

1989年4月 『テトリス版権事件』

落ち物パズルの元祖、「テトリス」の版権問題。

セガが獲得していたテトリスの版権が、IBMパソコン用のものだったため、コンシューマー機であるメガドライブ版テトリスの販売ができなくなり、生産された製品も破棄された。

この項は、ほぼテトリス事件 ‐ 通信用語の基礎知識からのコピペの引用ですが、わかりやすくするために一部改変しています。

テトリスのライセンス管理を行なってたのはソ連外国貿易協会、通称ELORG

  1. セガはテトリスに関するライセンスをELORGからではなく、欧米で家庭用ゲーム機向けにテトリスを販売しているテンゲンから受けていた
  2. テンゲンは親会社であるアタリから
  3. アタリはイギリスのミラーソフトから
  4. ミラーソフトはハンガリーのアンドロメダソフトから
  5. ELORGから直接のライセンスを受けていたのはアンドロメダソフト

アンドロメダソフトがライセンスを受けていたのは “IBMパソコン互換機用” のみのテトリスの権利であった。

セガの取得した版権は元をたどるとPC専用のものだったため、コンシューマー機であるメガドライブ版の権利は持っていなかった。

一方、任天堂はソ連外国貿易協会(ELORG)から直接「家庭用ゲーム機全般」のライセンスを取得。

ゲームボーイ用のテトリスのライセンスを受けるべく独自に調査していたところ、上記のような関係を知り、3月に改めて “家庭用ゲーム機全般” に対するライセンスをELORGから直接受けた。

 

コンシューマー用の権利が空白だったため、結果として任天堂がコンシューマーに関するすべての権利を取得。

4月、受けたライセンスを元に任天堂はテンゲンを著作権侵害でサンフランシスコ連邦地裁へ訴え、勝訴している。もしもセガがメガドライブ向けテトリスの発売を強行していたら、同様に裁判となり敗訴していたであろう。

この事件は、セガ派のゲーマーが任天堂を毛嫌いするようになった決定的な出来事だったというが、前述の通り当時の事実関係をよく調べてみると、これは完全なセガ側のミスであり、セガ自身もそれを認めている。

携帯用(ゲームボーイ用)ライセンスを取得しようと調べていたら、コンシューマー全部の権利が取得されていないことに気づたのですべてをゲットという流れ。

綿密な調査の成果といったところでしょう。

 

1986年 ユニバーサル映画 vs 任天堂『キングコングのキャラクター著作権侵害裁判』

アメリカ

任天堂勝訴

1982年、アーケードゲーム・ゲームアンドウォッチの「ドンキーコング」が、映画『キングコング』(1976年)のキャラクター著作権を侵害しているとして、ユニバーサル映画が任天堂を相手取り損害賠償を請求。

ユニバーサル版「キングコング」は製作にあたり、オリジナル版「キングコング」(1933年)のリメイク権を取得していなかったため権利者と認められず訴訟は棄却。

逆に任天堂の「ドンキーコング」は「キングコング」と別物という主張が認められ、ユニバーサル映画から160万ドルの損害賠償を勝ち取る。

任天堂の米国法人であるNintendo of America(NOA)は逆に「ユニバーサル映画が同訴訟を提起したことは『ドンキーコング』の名誉を毀損した」として反訴(カウンタークレーム)を起こし真っ向から対決 (Counterclaims and second appeal)。そして裁判の過程において、元々ユニバーサル映画はオリジナルの『キングコング』(1933年版)に関する版権を取得せずにリメイク版の『キングコング』(1976年版)を制作していたことが判明したため、「そもそもユニバーサル映画は『キングコング』に関する版権など保有していない」ということでユニバーサル映画側の訴えは却下されてしまう。

最終的に上記の事情に加え「『ドンキーコング』と『キングコング』は全くの別物である」という任天堂の主張が認められた結果、1986年に任天堂はユニバーサル映画から約160万ドルの損害賠償を勝ち取った。

この裁判ではハワード・リンカーン率いるNOA法務部の活躍が光り、以後米国のゲーム業界における任天堂及びNOAの発言力を高めることにつながっている。

Wikipedia

ここが任天堂法務部最強伝説の始まり?

 

1983年 池上通信 vs 任天堂『基盤複製による著作権侵害裁判』

日本

和解

アーケード版『ドンキーコング』のプログラミングを委託された池上通信機は、1983年、著作権侵害を理由に任天堂に対する賠償請求を東京地方裁判所に申し立てた。池上通信機に無断での、任天堂による『ドンキーコング』基板の複製に対する契約不履行が、著作権侵害の理由であった。

ゲームデザイン本体は任天堂社員によるものである事と、契約履行後の池上通信機の請求権不在を理由に、任天堂はこの請求を斥けた。 この裁判は判決が下されないまま、両者の和解で決着した。

Wikipedia

 

任天堂、訴訟に勝つ時は勝つし、負ける時は負けてるんじゃない?

任天堂、裁判に勝つ時は勝つし、負ける時は負けているという結果に。

訴えるのは勝てそうな時、訴えられるのは相手が勝てそうな時なんだから、訴えられたら負ける可能性があるのはあたりまえ。ドンキーコング・キングコング訴訟は相手が迂闊だったという天佑に支えられたというところ。

ミスが少なく外堀を埋めていくところをみると無敵・最強と思えるけれど、コントローラーのモーションセンシングなど、冒険をすればうまくいかないこともありますわ。

任天堂はかつてパクリ模倣品も製造・販売していたので、いきなり裁判に持ち込むのではなく、交渉で解決してきているのでは。

「白猫プロジェクト」もコロプラと任天堂は1年以上前から折衝していたらしいので、いきなりなわけでもない。どこがどうこじれたのやら。

(任天堂の作っていた模造品ってこういうやつ)

(レゴブロックと互換性があるN&Bブロック)

【任天堂クラシック博物館】第3回 N&B BLOCK 任天堂ブロック

 

 コロプラが任天堂に訴えられた件のまとめ

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