通常ガチャの当たり確率の計算法と、直感的には納得しづらい部分の説明ページです。総数の決まっているボックスガチャは別の考え方になります。
高校で確率を取った人には当たり前と言われる内容なので、聞くまでもないわという人は読み飛ばして下さい。
当たり確率の計算法
ある回数で当たる確率を知りたい時は、まずはその回数まで外れ続ける確率を計算します。そして求まった外れ続ける確率を、全体の1から除く(引く)ことで、ある回数で当たる確率が求まります。
たとえば1回まわして外れる確率は、1-当たり確率。2回まわして2回とも外れる確率は(1-当たり確率)x(1-当たり確率)。
n回まわして外れる確率は
\[
(1-当たり確率)^n
\]
逆にn回目「まで」に当たる確率は、
\[
1-(1-当たり確率)^n
\]
となります。
この計算はn回目に当たる確率ではなく、n回目「まで」に当たる確率であることに注意して下さい。
外れ続け「ない」確率なので、上の数字には1回まわしただけで出た分も含まれているためです。
確率計算
1/10で当たるガチャを例に考えてみます。
このガチャは10回引けば1回当たる、つまり10人が10回ひけば、10個の当たりが出ます。ところが確率1/10のガチャを10回まわして当たる確率は計算では65.13%。
わかりやすくするために1の位を切り上げると70%。7人にしか当たらないことになります。
当たりは10個あるはずなのに、この計算だと7人しか手にできない。
残りの3人の分はどこに行ったのか?
答えは当たりが出た7人のうちの誰かが持っている、です。一人が4回当てているかもしれないし、2個当てた人が3人いるかもしれない。
誰がいくつ当たったかはわからないけれど、外れた3人の当たり分は、幸運な7人のうちの誰かが持っています。
1回100円のガチャで、1%のレアアイテムを得られる期待値は1万円です。計算式は金額x確率の逆数。この場合は100x(1/0.01)で1万円となる。
100回まわせば1個出るのだから、100人が100回ひけば100個の当たりが期待できます。
ただし、あなたが1万円使って100回まわしても、外れる側の35%に入っていたなら、レアアイテムを引くことはできません。そのかわりに65%に入った幸運な人のうちの誰かが2つまたはそれ以上のアイテムをゲットしています。
ガチャのガイドライン
ガチャにも一応のガイドラインがあって、レアアイテムの出現率は1%を下回わらない、レアアイテム獲得までに必要な額の期待値が5万円以内であること、提供割合の上限と下限を表示する、となっています。
□ a. いずれかのガチャレアアイテムを取得するまでの推定金額(その設定された提供割合から期待値と して算定される金額をいう)の上限は、有料ガチャ1回あたりの課金額の 100 倍以内とし、当該上限を超 える場合、ガチャページにその推定金額または倍率を表示する。
□ b. いずれかのガチャレアアイテムを取得するまでの推定金額の上限は 50,000 円以内とし、当該上限 を超える場合、ガチャページにその推定金額を表示する。
□ c. ガチャレアアイテムの提供割合の上限と下限を表示する。
□ d. ガチャアイテムの種別毎に、その提供割合を表示する。
ランダム型アイテム提供方式における表示および運営ガイドライン – 日本オンラインゲーム協会
これだけ見ると、すべて守っていて然るべきと思ってしまいますが、実はこれらの条件のうち、いずれか一つを遵守すればよいとなっています。
3.有料ガチャの設定に関する事項
(1) 有料ガチャにおいてガチャレアアイテムを提供する場合、以下のいずれかを遵守する ものとする。
つまり、理屈上は「期待値の額が5万を超えない」の項目さえ守ればいいので、300円のガチャで1/166.66の出現率のレアアイテムを設定して、確率を表記しなくても構わない、ということです。
いろいろ書いてきましたが、行き着く先はガチャは宝くじと同じく確率を考えたら負けなのかもしれない、というところかもしれません。ガチャは控除がないですけどね。