Flashのサポートが終了したらどうなるかを分かりやすく説明

先日アドビシステムズがFlashの開発・配布サポートを2020年いっぱいで終了するという記事を書いたのですが、「フラッシュの更新が終わるってどういうこと?」「そもそもフラッシュプレイヤーってどんな役割かよく分からない?」というコメを見かけたので、少し分かりやすく書いてみます。

(わかりやすくするため、説明をごまかしているところがあります)

 

Flashの開発・更新終了は何を意味するか

Flashの開発終了は、地上アナログ放送終了に例えると分かりやすくなります。

地上波アナログ放送 … Flash

地上波デジタル放送 … HTML5

 

26日のフラッシュ開発終了の発表は、地上波のアナログ放送にあたるFlashは、2020年一杯で停波しますよというお知らせだったわけです。

そして「2021年以降も放送したければ、デジタル放送に対応させてくださいね」とういことを意味します。

 

かつてアナログ放送が終了した時でも、アナログテレビに対応したプレイヤーがあれば、古いビデオを観ることができました。

フラッシュでも同じで、ソフトさえあればサポートが終了してからもフラッシュコンテンツを遊ぶことはできます。

しかしサポートが終了してしまうと、セキュリティに問題が見つかっても修正されることがなくなります。

セキュリティーが放置されたソフトは、個人が自己責任で使うことはできても、責任問題が発生する商売に利用するのは難しい。

ユーザーにリスクを負わせるようなソフトを企業として提供するわけにはいかないため、ゲームの開発会社や運営会社はフラッシュゲームでサービスを続けることはできません。

従って2020年以降もサービスを続けるなら、アナログ(Flash)を捨ててデジタル対応機器(HTML5やその他新しい技術)に変えるしかないというわけです。

(フラッシュからHTML5への変換はできます。また、書き直しでも対応できます)

 

フラッシュの役割ってなに?

Flashはプログラムの規格の一つで、動画を再生させたり画像をインタラクティブに動かしたり、さまざまなエフェクト利用した演出を行える枠組みです。

ほんの数年前まではFlashがなければウェブブラウザ上で動画を再生したり、動きのあるコンテンツを表現することはできませんでした(手間をかければ不可能ではなかった)。

そのため動画再生やゲームにはFlashプレイヤーが利用されることが多く、圧倒的な利用率を誇っていました。

 

Flashのプログラムは無償で配布されている再生用ソフト、Flash Player上で実行されています。ブラウザ上でFlashゲームが遊べるのは、使っているパソコンのブラウザにFlash Playerがインストールされているためです。

Flashの開発・配布が終了すると、ブラウザ上でゲームを動かす仕組みがなくなってしまいます。

そのためFlashゲームが遊べなくなるというわけです。

 

ためしにスマートホンでYahoo!モバゲーにアクセスすると、Flash Playerがインストールされていませんという警告が表示され、PC向けゲームの大半が遊べないことが分かります。

かつてはスマートホン版Flashも開発・配布されておりスマホからでも遊べたのですが、2013年頃に開発が中止されたためにスマホから遊べなくなりました。

26日の発表は、2021年にはスマホだけでなく、パソコンのブラウザでも遊べなくなるよ、というお知らせだったわけです。

※今でもAndroid、アイポンアイパッドでFlashゲームを遊ぶ方法はあります

 

現在サービス中のゲームはどうなる?

現在サービス中のゲームがどうなるかは、開発・運営にしか分かりません。

単純なゲームなら手間を掛けずに移行できるでしょうが、パソコン向けの大規模なゲームだとどうなるか、というところがあります。

海外からのローカライズ版に多い開発・運営が一体でない場合は、運営が続けたいと考えても開発元に対応する気がなければそれまでとなります。

 

どうなるかは運営のサービス継続の意思次第

愛着のあるゲームのサービスが終了すると寂しいですが、どうせ分からないので気にせず楽しむのが一番です。